37歳都内在住、既婚女の日記

夫婦で自営業の妻。飲食店。1歳と0歳の姉妹の母。少々病み気味、西東京出身、東東京在住。プロテスタント。

イケメンと本能

私はどうにも、イケメンが苦手である。別に苦手でもこの人生においてイケメンに追い回されるようなこともないので不便はしないが、いわゆる異性へ対しての「好み」とは何なのだろうかと考えてみたい。尚、人によっては異性ではなく同性への興味という方もいらっしゃることと思うが、私の場合は恋愛対象が男性につき、便宜上、男性についてを異性と呼ばせて頂きたく思う。

 

イケメンが苦手と言うからとて、夫のことを「不細工だから好き」なわけではない。私にとっては夫がイケメンということなのだ(たまには言っておく)。ご存じの方も多いと思うが、私の夫は間違っても知的な雰囲気などはなく、爽やかとか王子様とかいうワードからはかけ離れた、チンパンジー的な男である。どちらかと言わなくても野蛮そうな感じも漂っており、その印象はまったく正しい。

 

イケメンといってよく上げられる有名人について考える。ジャニーズの皆さんやEXILEの岩ちゃん、福山雅治なんか絶対イケメンであろう。そして、それこそが私がもっとも苦手とする顔立ちだ。福山雅治も私のことなど御免被るであろうが、ここはあえて先にこちらから御免被ろうではないか。福山雅治、御免被る!

 

どうも私は目がパッチリした男性を好まないのだ。一重か奥二重の、切れ長な目の人が好きなのである。私自身はまったく記憶にないのだが、母の話によると幼稚園のとき同じクラスの男の子にラブレターを書いたらしく、その相手の男の子は特にモテるでもない、一重の薄い顔だったという。「三つ子の魂、百まで」とはまさにこの事といえる。

 

本能として、父親の匂いを嫌うようになっていくのは生き物が近親相姦を避けるために生まれついて持っているものだという。ひょっとすると、その流れで私はパッチリ顔の男性が恋愛対象にならないのかもしれない、とも思った。私の場合、父が二重でかなりパッチリした顔をしている。

 

そしてひとつ言えるのは、イケメンがうっかり鼻毛が出ていたりする際、ショックが大きすぎるという点も問題だ。「ギャップにときめく」なんてのはあくまでプラスの要素を見つけた場合の話であり、「ヒヨワそうなのにボクシングやってる」とか「バカそうなのに頭良い」とか、もしくは映画のジャイアンのように実は優しいみたいな事である。社会人になってありがちな、「スーツ姿がカッコいいのに私服で会ったらヤバい」とかじゃ困るのだ。あんなに歌って踊って爽やかなイケメン岩ちゃんが、近付いたら実は鼻毛めっちゃ出てる、ではもう耐えられない。これが、夫であれば「鼻毛出てるよ」で済むし何のギャップでもない。別に出ててもおかしくない、と思えるのだ。夫については鼻毛が出ていることよりも、あんなにチンパンジーに似ているのにバナナが嫌いであることの方が驚きのギャップといえる。

 

また、統計的に見ても、私は誰一人とてパッチリ顔の男性とお付き合いをしたことがない。過去お付き合いさせて頂いた男性陣で、パッチリ二重の人は1人もいないのだ。人生でこんなに徹底していることが他にあるであろうか。納豆はおかめが良いと言いながら今日はくめ納豆を買ってきたような女だ。徹底的に一重ないしは奥二重男性を好んできている。(もう一度言うが、別に過去のお相手についても不細工と言っているわけではないよ)そしてそれは、意図して貫いてきたことではなく、無自覚のうちに辿ってきたことだというのが非常に本能的だと感じる

 

 

とすると、今は赤ちゃんでばぶばぶしている我が娘も、既に異性についてタイプというものが組み込まれているのであろうか。夫、すなわち彼女の父親が野蛮気味なチンパンジーであるということは、「父親的要素がない異性を好むのでは?」というこの見解からするに、彼女は爽やかとか知的なイケメンをタイプと言い出す可能性が高い。岩ちゃんや福山雅治を御免被らないとうかがえる。私服でもきちんとしたシャツが多いタイプの男性かもしれない。そんな相手をいつしか連れて来られたら緊張してしまうではないか。うっかりお茶受けにバナナを出してしまうかもしれない。

 

現在、生後3ヶ月の娘は今のところかなり夫に似た顔をしている。実父譲りの私の二重の目はどうやら引き継がれず、切れ長な奥二重の目をしている。低い鼻はすっかり私と似ていて、パーツパーツを眺めるととても興味深い。口の形なんかも夫と似ており、そしてなかなか珍しいますかけの手相も夫から引き継いでいる。

 

意識しても、しなくても。生き物は本能が判断する事がたくさんあるのだろうな。頭で考えるよりも、それはもしかすると確かなものなのかもしれないと思う。