37歳都内在住、既婚女の日記

夫婦で自営業の妻。飲食店。1歳と0歳の姉妹の母。少々病み気味、西東京出身、東東京在住。プロテスタント。

一応の報告をゴリラより

誰からも確認されてはいないのだが、一応産前に誓ったことなのでひとつご報告申し上げたい。ダイエットについてである。

 

私の身長は161㌢。妊娠する前の体重は48㌔であった。この体重は私にとって最も快適に活動できる、ベストな数値である。30歳を過ぎてからは多少の増減はあれど、大体いつもこれくらいの体重であった。基本的にはあまり増減をしない方である。

 

だが不摂生を極めていた過去には激太りし、56㌔までいったこともある。見目にもそれはマズいものがあった。丁度その頃親友の結婚式があり、出席した際の写真が残っているのだが、式用におめかしをしたゴリラが映っている。丸いというか、まあ丸いのだけど、なんかイカつい。ゴリラだ。のちにチンパンジーに嫁ぐことになるのだから良いとはいえ、そうとも知らずにいた当時の私よ、何故その醜態を己に許していたのだろうか。濃い化粧でノースリーブのワンピースを着用し、二の腕をあらわにしたその様は生ハムを携えたオシャレゴリラのようであった。オシャレをしてたならマシね、と思うなかれ、オシャレな人は生ハムなど携えないしまずゴリラでもない。

 

何故そこまで太ったかといえば理由は明快、酒だ。当時は仕事が終わって0時頃から飲み始める。私は空腹では飲酒ができないタイプのため、まずは牛丼の大盛りを食べてから飲みに繰り出していた。そして朝8時頃まで飲むのだが、酒の量はもとより、それによりぶっ壊れた満腹中枢が朝マックやジョナサンへと駆り立てる。朝日を浴びながらいつも思っていた、「なぜ私はファミレスのモーニングで焼酎付きのドリンクバーを頼んでいるのだろう」と。そしてなぜ毎回こんなにも、ハッシュドポテトが食べたいのだろう、と。おぞましい時期であった。この体重では動くことがだるかった。

 

そんな不健康デブゴリラの時期を経て結婚し、「ちょい健康ややゴリラ」程に戻り、神奈川で暮らす間にゴリラとのハーフくらいまでに落ち着いたところで開業することになった。

今度は独立のプレッシャーにやられ、吐き気や食欲不振に悩まされ43㌔まで減ってしまった。医者にもかかったが、結局精神的なものだったのでお店に慣れ始めると同時にそれは解消された。尚この体重ではふらふらした。

 

前置きが長くなってしまったが、この度の妊娠出産における体重の変化である。

分娩前日、入院先の助産師達にヒソヒソ噂されるほど私は肥えていた。何と、このご時世ではありえない20㌔の増加をしてしまったのだ。

 

どこの産院でも10㌔を目安に指導されるというのに、20㌔の増加は大問題である。おかげで妊娠糖尿病の疑いもかけられ糖負荷試験もやった。20㌔と言っているが、最終的に体重計は70㌔という数値を叩き出したので、正確には22㌔だ。

 

現在の体重を申し上げる。54㌔だ。なかなか優秀ではなかろうか。何をしたかといえばただ一つ、余計なものは食べないだけだ。

 

食事は勿論ちゃんととっている。ただ、きっちり食べるのはだいたい二食で、寝起きがもっとも食べ、夜は夫が筋トレ中なのもあってあまり炭水化物を食べない。適度に空腹を感じる時間がある方が、私の場合は「なんかタンパク質欲しいな」とか「生野菜食べたい」など、体が欲する栄養素を感じることができる。冒頭でゴリラ的自伝を綴らせて頂いたが、そもそもゴリラ前の私は比較的スリムをキープした若者時代を送ってきており、当時はとにかく「体が求めるものを求める量で」食すように気を付けていた。大体のゴリラもとい太っちょさんというのは、この声がちゃんと聴けておらずに必要量と要素を勘違いし、いつも満腹を覚えようとする。自戒も込めていうが、だからゴリラなのだ。

産後は単に、食事以外の間食や「これ半端だから…」とか「せっかくあるし…」などの理由による飲食をしない。またお茶か水以外飲まない。コーヒーはブラックのみ可。それを徹底するのと、あとは軽い体操だの、家ではつま先立ちしているくらいのことである。私はほぼミルクのため授乳によるカロリー消費は少ないが、裏を返せば妊娠中はそれだけ食べていたのだ。米やパスタなんぞ一回で300gは軽く平らげていたし、毎食後にデザートと称してスイーツを1、2個食べていたし、それらと別に間食で一食分くらいは食べていた。ここまで食べることを欲するのは初めてであったが、妊娠中とは体の異常事態なのだろう。だからってこれから妊娠する人に20㌔肥えようとする人がいたら止めるけど。

 

免疫のために体に良い物を食べよう!というような番組がここ最近続いている。私はそれが陰謀的にさえ感じてしまう。無論、栄養を考え食事をとることは大切だが、ただでさえ自粛により活動量が減っている今、買いだめや暇などの理由から通常ないしはそれ以上の量を食すならば、完全に毒だと断言したい。

生き物の体は、満腹では負担なのだ。本能的な部分の全ての感性が鈍るし実際の免疫も働かなくなるとさえいわれる。皮膚炎や膀胱炎を起こしたときなどに私は軽く断食するが、結局何をするよりそれが手っ取り早く回復する。痩せる食べ物もない。肥えすぎてるのが体に悪いだけで、痩せていることが正しいわけでもない。

 

ベスト体重まであと少し。ただ産後は体が変わったのを感じているので、ここらであえての減量はやめることにした。とはいえ時短営業で夫が家にいる時間が増え、美味しい物をこさえてくれる今日この頃、再びのゴリラ化だけは十二分に気を付けていきたい。