36歳都内在住、既婚女の日記

夫婦で自営業の妻。飲食店。乳児の母。育児の不安に加え、なにかと不安な36歳。

雑な脳の整理

最近自覚したのだが、私はかなり酷い方向音痴である。そのつもりなく36年生きてきたのだが、度重なる夫からの指摘を受け、また実際によく迷うため分かってきた。

 

現在、自宅と店舗との距離は徒歩15分かからないくらいなのだが、開業してしばらくの間は店を出るときに進む方向が、右か左かも曖昧であった。また、例えば夫と互いに出先から近所のスーパーで落ち合おう、などとしようとすると、落ち合えない(今は大丈夫ですよ、念のため)。合羽橋や上野に用事があってチャリを走らせてみても、本来10分あれば余裕で着くはずの目的地に30分は着かない。普通であれば、とっくに方向音痴であることを自覚するのかもしれないが、早い話「どうにか着くのであればそれで構わない」くらいにしか思っていないので、人より時間がかかることも気にもとめずに生きてきた。迷うことなどデフォルト過ぎて違和感がないのである。

 

けっこうそのような事がある。何時間もかけて話をした内容を、内容どころか話したこと自体を忘れ、あとから言われてもまったく思い出せない。夫には「お前、本気で言ってるのか」と呆れを通り越し恐れられているが、思い出せないのだ。しつこく内容を反復されれば、稀に「ああ、もしかしたら話をしたかもなあ」くらいにまで思い出すのだが、自分としてはもちろん悪気はない。ナメてるな、とよく言われるとおりで確かにナメきった記憶力だと我ながら思う。

 

ただ、まあこれは仕事なので当たり前ではあるのだが、お客さんが何をどのような順番で飲んだとか、その時お料理は何だったかとか、口ではこんな感想を述べていらっしゃったが表情はイマイチだったかもなとか、どこに座りどんな服を着て何時にいらしてどんな会話をしたかとかはだいたい覚えている。別に覚えようとしなくても覚えているし、メモにとるわけでもない。というか、これを覚えられなかったら飲食業はそもそも厳しい次第だが。

 

ただ、なぜか覚えられない顔立ちという人が一定数いる。おそらく自分の記憶の中で、仮にAさんBさんとすると区別ができていないのだろう。決して似ているとかいうことではないにもかかわらず、印象がごっちゃになってしまうのか、「あの人は〇〇銀行の営業の人だ」と思い込んでいる人が「いつも来てくれる配送の人」だったり、「コンビニのスタッフの人だ」と思ってる人が「病院の受付の人だった」とか、まったくもってめちゃくちゃに交錯する。その点、気持ち悪いほど正確にかつ深く記憶しているのが夫だ。どこかの街で通りすがっただけの人ですら、もう一度見たらしっかり思い出す。いっそ探偵でもやれば良いのではと思うくらい、「あ、あの人このまえ新宿行ったときに駅で通りすがった人だ」とか事細かに思い出すようである。

 

そして私は男性の「ヒゲ」を認識できない。ヒゲがトレードマークのような人もいるわけだが、そのような人がヒゲを剃るとずいぶん印象は変わるはずなのに、まったく気づかないのだ。女性の髪形だけは気付けるように意識しているのだが、ヒゲについてはどうもダメだ。今、夫に生えてるのかどうかも分からない。

 

夫いわく、「自分にとってどうでもよいことはかたっぱしから忘れるんだろ」とのことである。人聞きが悪いが、きっとその通りなのだ。子供の頃からそうである。そして私は寝つきがとても良い。よく、脳は睡眠中に記憶の整理を行うときくが、寝る前から整理しているのだろうか。一晩同じことをずっと考えること自体ができない。布団に入ったら寝たいのだ。悩んだりすることは私も人並みにある。でも夜中に悩むことはめったになく、試しに悩んでみても、途中でゲームや漫画などに夢中になることにして、眠くなって寝る。

 

これは憶測でしかないが、人には各々、思考のキャパというものが決まっており、キャパを超えた思考を自分に課すと多大なるストレスになるのだと思う。平たくいえば、悩める量は決まっている、ということだ。

それを超えて脳を使うと健康を害することにも繋がるであろう。「だからって考えないなんて出来ない!」のも人間だが、これはある意味自分への癖付けでしか解決しない。私は根暗で、基本思いつくことはネガティヴなことばかりで、起きてもないことに恐れてばかりの一方で「いやはや私では解決できんしな」という諦めの早さがある。少なくとも日をまたいで何か考え続けるという発想自体がない。自分が考えることよりも、自分が寝ることの方がプラスに感じるからというのと、どうせ明日もまた悩むのだから今日はもういいじゃん、と思うのだ。雑といえば雑でしかないし、時折指摘されるように身勝手に映るのであろうが、それで私はこうして私でいられるのだからこういう自分が好きでもある。

 

キャパを超えるものは頭から排除する。大事なものも忘れちゃダメじゃないかとお叱りを受けそうだが、そんなときのために、人は一人じゃないしスマホもあるのだ、ということで。

 

方向音痴は、困ってる実感がないので一生治らない気がするや。まあいっか。