37歳都内在住、既婚女の日記

夫婦で自営業の妻。飲食店。1歳と0歳の姉妹の母。少々病み気味、西東京出身、東東京在住。プロテスタント。

苦手の克服は地味に世界を変えるかも

両親共に東京生まれで一応は生粋の東京生まれ、東京育ちでありながら、私は納豆がひどく苦手であった。父はよく食していたが、その様子を見るたびに「なんであんな臭いもんわざわざ食べてるんだろ」と思っていた。

 

何度か口をつけてみてもやはり苦手で、別に納豆なんて食べられなくても死にはしないし嫌いなままで良いと思っていた。そうこうしているうちに実家を離れた。

 

近年他界され寂しいが、私は昔からさくらももこさんが大好きだ。漫画はもちろん、エッセイも全て読んでいる。その中で、さくらももこさんも納豆が嫌いだったが克服したというエピソードを読んだ。エピソードには克服したいと思った経緯などもあり、いやはや確かにおっしゃる通りだと私も共感を覚えた。また、その頃20代前半であったが平熱も低くいつも低血圧、すぐ風邪はひくし、病気ではないけれども常にパッとしない。そんな体調で過ごす自分を変えたいなあと思い始めていたときであった。

 

当時、まずはじめに食事内容をメモすることから始めた。体重を減らすことは目的としていない。やたらめったら疲れやすかったりする原因に、「隠れ栄養失調」があることを知ったので自分に足りていない栄養素、もしくは過剰な栄養素があるのではないかと思ったのである。記録を続けた結果、圧倒的にタンパク質が不足していたことと、カフェインをやや摂り過ぎていると判明した。

 

とはいえ、私はあまり肉をたくさん食べられない。生姜焼きなんかも、薄いのが2,3枚あれば十分だ。だいたい肉を増やそうったって金がかかるし、別にいくらタンパク質が足りないからって動物性タンパク質だけ一気に増やしても消化に負担がかかる。これはもう、あれだ。納豆しかない。納豆さえ克服すれば安価で素晴らしいタンパク質をゲットできるではないか。家計にも優しく胃腸にも優しい。やるしかない。

 

さくらももこさんも挑戦していたように、紫蘇やドレッシングや胡麻やネギやら、思いつく限りのアレコレと合わせて克服に向けてのチャレンジが始まった。納豆自体も、スーパーで手に入るものであればほとんど網羅したと思われる。各メーカーからいろいろと種類が出ているので手あたり次第購入した。苦手なタイプもあったし、食べやすく感じるものもあった。納豆チャレンジは約半年間に及んだ

 

私の場合、着地点はキムチであった。キムチと、更に少し胡麻油を足すことで、イケるようになった。ちなみに当時親しかったとある韓国人主婦にその話をしたら「えー、納豆はそのままが一番おいしいじゃん。私、韓国人だけど納豆ファンとしてはそれは無粋だね」と言われてしまった…。アイゴー。

 

それから私は、「キムチと混ぜた納豆」に慣れ、日常的に食すようになった。はじめの頃はご飯に乗せたり火を通した状態で食べるのは香りが広がるためハードルが高く、出来なかった。それでもなんとか1パック完食に至れるようになった日には、かなりの達成感を覚えた。世界が広がるぜとさえ思えた。おおげさな…と思われることと思うが、納豆を克服することはかなり家計に影響を及ぼす。それこそ納豆で白米がイケれば充分一食になるし、先の栄養価の問題で大きな前進を遂げたのだ。

 

その後、今日に至るまでの間に納豆との付き合い方もずいぶん変化を経て、今となっては納豆オムレツも納豆汁だって好物だ。基本的にはほぼ毎日食している。

 

タンパク質量を見直すことは、数年の歳月がかかりつつも私の平熱を上げた。もちろん、それだけが要因ではないものの私はこの10年近く、36.7~8度くらいが平熱となり、以前に比べ劇的に風邪をひく頻度が減った。あくまで「納豆食べりゃよい」わけではない話だが、特に運動をしていたりハードに過ごしている人、もしくは病弱な人なんかは、一日に1パック足すことを続けるとなかなか良いんあじゃないかしらと思う。安いし。(きっとキムチも良いんでしょうね、何かと)

 

今朝も炊き立ての白米を納豆で頂いたわけで、毎度心から「ああ、なんて美味しいんだ……!」とうっとりしている。もしもあのまま納豆を嫌いでいたら…と思うと、このうっとりを味わえないのだからちょっと寂しいではないか。他にもまだ苦手な食べ物はあるので、生きてるうちに克服できそうならしてみても良いなと思っている。