37歳都内在住、既婚女の日記

夫婦で自営業の妻。飲食店。1歳と0歳の姉妹の母。少々病み気味、西東京出身、東東京在住。プロテスタント。

4ヶ月を迎えて思うこと

本日、晴れて娘が4か月を迎えた。これを書きながら、4か月前の今頃は人生最大級の痛みに悶絶していたのかと思うと、つい最近の出来事なのになんだか夢物語のように感じる。

 

コロナの影響により3ケ月健診が中止となってしまったため、正確な成長具合を把握できず残念ではあるが、おおよそ出生時の2.5倍ほどに体重も増えた様子だ。首がきちんと座っているのかどうか私では判断できかねるが、随分しっかりしてきたのが窺える。

また、ここ最近では寝返りの練習をしているようで、一生懸命コロコロと横に転がろうとしてはうまくいかないことにイラつき、バタバタしたりする様子も見受けられる。

 

今日は私の両親が「ドライブスルー」で会いにやって来た。同じ都内とはいえ、車で片道1時間ほどかかるにも関わらず、家の前でほんの5分顔を見たかと思ったらすぐ去っていった。ゆっくり上がっていってほしかったが、その心遣いに感謝すると共に、母より渡された荷物の中身にまた涙腺をやられた。

 

娘の物も入ってはいたが、ほぼ私に向けての物であった。お菓子や酒、服、そして煮物を作ってタッパーに詰めてくれていた。里帰り中もそうであったのだが、母は「買い物行ってくる」と家を出ては私の好物のフィナンシェをしょっちゅう買ってきて黙って台所に置いておいてくれた。自宅へ戻る際にも、「アンタが久しぶりに家にいるのが楽しかったよ」と言ってくれたのが強く心に残っている。

 

そうは言っても初孫であり、特に私は一人っ子のため、唯一の孫となる娘に対し顔がほころんでいるのがよく分かる。だが、両親がにこにこと娘の顔をのぞきこんだら、娘は泣いた。

 

正確には、泣く手前。ギリギリの、下唇をぐっと出して小鼻を膨らませながら精一杯泣くのを我慢している顔である。今のところ、他の赤ちゃんの話を聞く限りうちの娘はあまり泣かない方であるようだが、まさかこのような場面で「ウウッ…」となるとは予想外であった。予防接種の時でも「ウワアン!!」とひと泣きするだけで耐える娘である。それが、まさか本人にとっての祖父母の顔を見て泣きそうになるとは。

 

普段から、部屋で1人になるとすぐ気付き泣くことはある。

単純に「1人が嫌」なのだと思っていた。

でも昨日の件で、「私か夫といないと嫌」なのだという事に気付かされた。

 

こんな小さな体で、毎日これでもかと成長をしているのだ。視覚も聴覚も五感の全てを、生涯においてもっとも働かせている時なのだ。不思議そうに外の音を気にしていたり、猫の気配を目で追ったりしている瞬間瞬間に、彼女の細胞はフル稼働している。私と目が合ってパアァと笑うその心は、どんな気持ちが占めているのだろうか。

 

それが彼女にとって嬉しいというなら、私にとってこんなに幸せなことが他にあるであろうか。夫ですら、私と目が合ったって別に嬉しくも何ともなさそうである。どうせブスとか思われているのだ。重ねて気づくのは、この世で唯一私の目線に娘と同じように喜んだのは、36年前の母なのだろうという事である。

 

世の中には色々な人がいる。個人的にマジくたばれと思う奴も少々いるし「何がどうなるとそうなるんだ」というようなヤバい奴に出くわしたりもする。どの角度から見ても不備ナシといわんばかりの凄まじい美人、ハゲ散らかして異臭を放つクソジジイ、また世界には沢山の国の人達がいるが、全員が誰かの腹を痛めて、ぷるぷるフニャフニャした新生児期があって、赤ちゃんとしての時間があったのだ。

 

無論、出生の背景に事情のある方も少なくないし親がいないケースだってあるだろう。それでも、今ウロウロしている全ての人間には共通して「産んだ人」がいるのだ。天地がひっくり返ろうとて出産の痛みとは強烈であり、それを耐えた人がいるのだ。産後、入院中に一番に考えたのはその事だった。

 

私は「子供産んで一人前」的な考えは嫌いだ。別に子供がいても一人前ではないからだ。死ぬ時に「1人分」の人生をまっとうするのだから、その際やっと「一人前」なのだと思っている。

子のいない人には育児とは別の、成し遂げるべきものが背負わされている。また、その成果を世でどう用いるかを試されているし、ビジネスを通じてとか人によりけり、人生とは人との関わりである以上、そこに子の有無は関係ない。関わる人へ対する在り方と生き方の問題であって、その人を通じて誰かがハッピーになるのであればそれより大事なことなど何もないのだ。

 

娘は私に似て手が大きく、指がかなり長い様子だ。その手で何を掴んでいくのだろう。

 

但し、当然まだまだ私の方が手は大きい。私もまだまだ掴む気でいる。

危機に晒されまくりの飲食店とはいえ、この状況が不幸か?といえばNOだ。大変で超ピンチなだけだ。ここから私達が何を掴むのか。娘といつか話のネタになるよう、今は日々の健やかな成長に感謝したい。そして4ヶ月目でこんなに変化を見せてくれる娘に倣い、もうすぐ3歳のかこみはこの機にどんな店になるのかを楽しみたいと思う。