37歳都内在住、既婚女の日記

夫婦で自営業の妻。飲食店。1歳と0歳の姉妹の母。少々病み気味、西東京出身、東東京在住。プロテスタント。

2歳と1歳は私を這いつくばらせるプロ

「子供には添加物のない、安心な材料でできる限り手作りのものを」「食育とは、すなわち命を育てること」「自分はともかく、子供には栄養バランスを毎食しっかり考えて」「食事の時間にはメリハリをつけ、感謝して頂くことを教えたい」

 

 

………上記のようなことを思われる母親は多いであろう。私もゴリゴリにそう思っていた。そして上記のようなことというのは、「現実の恋愛」と「エロゲー」くらい話が違うものであるという事実に打ちのめされている母親も、やはり多いのではなかろうか。

 

おい。マジで思うよ、おい、と。

手作り?バランス?食育?栄養?はぁ?それ、食えばの話だろ?

 

食わねえぞ2歳児ぃぃぃぃぃぃ!!!!!!

 

我が家の長女、現在2歳は、これまで食事のことで困ったことがなかったのである。常にしっかりと、栄養バランスを考えて出した食事を完食し、食欲旺盛で和食を愛し、野菜も何でも食べ、デザートに出す果物を大喜びし、オヤツもミニトマトとかで非常に健康的な食生活にて生きていた。米の味に敏感で、うちは夫の地元が新潟ゆえ基本、新潟産コシヒカリなのだが何かの拍子に違う銘柄にしたり安い物で間を繋ぐと顔をしかめる様子を1歳頃から見受けられた。また味噌汁にかなりのこだわりを見せ、こちらとしては味噌汁にはおかずよりも気合が必要であった。

 

過去の話である。いつだって、昨日は過去である。そう思わないと生きていけない。1時間前も1分前も、もう過去なのだ。過ぎ去ったのだ。現在の長女はまず、食事を「食べない!」と言い張り、ひっくり返したりする。酷い日は、わーいごはんだ〜とはりきって席について開口一番「これ捨てる!」と言われる。(目玉焼きだけはそっこー食べる)と

 

そしてゼリーだのバナナだのを要求し続ける。ご飯だよ〜と席について5秒後だ。5秒で食わねえと言われてひっくり返された料理、止むことなく大声でゼリーだのバナナだのを要求する声、そして何が輪をかけるって現在1歳の次女だ。彼女は絶賛つかみ食べの時期におり、長女がひっくり返したものを物凄い顔で取ろうとし、全身を汁やら米粒まみれにしながら、エプロンという存在がどれだけ無意味かを痛感しつつ私の心は宙を舞う。

 

私は騒ぐ長女をチェアから下ろすが、彼女はゼリーだのバナナだのが出されないことに怒り狂いあらゆる暴動を起こす。本日は手当たり次第オモチャをぶん投げておられた。そのような中でも次女は冷静に米粒マンとして全身にますます米粒を身につけ、あらゆる方向へと掴んだ食べ物を投げ飛ばし、数メートル後ろにあるはずのTVの画面やカーテンも米化し、また私の顔などにもぶつけられつつ、ニコニコと愛らしい笑顔を振りまいてくれる。

 

さて、本番はここからだ。長女はソファなどに場所を移動し、TVでも見ながらだと気まぐれに私に「アーン」を求めてくる。そうするとさっきまで「食べない、捨てる!」といっていた同じ料理を、食べるのだ。たまにだけど。

 

もはや、「食事中はきちんと食卓について集中して」とか、クソどうでもいい。食うか食わねえかだけだ。そしてこの時の我が家の床の気持ちを考えようではないか。床はいつも泣き叫んでいる。「もう、デンプンになっちゃうよー!!」と。

 

前述の通り次女は米粒マンとしてプロなので、数分のうちに部屋中に米粒を撒き散らす次第であり、それを怒り狂ったゼリー求道者の長女が駆け回ることにより米は部屋から廊下へ、トイレや洗面所まで、駆け回る全てのところへ跡を残す。人の人生とは歩んだ道跡、というものが見えるものだが、まさか1日に3回もそのようなことを実践的に教えて頂くことになろうとは。その訓練は修了の日を告げ知らされず、毎日繰り返される。

 

長女を追いかけると私の靴下の裏にも嫌な感触が芽生える。踏んだのだ、米粒を。次女は笑って、最近お得意のおててふりふりをしながら私を見つめる。さすがプロの米粒マンよ。

 

ここまでで1600字も来てしまった。ねえ、でも気付きました?ここに至るまで私、1ミリも片付けはできてないんですよ。

 

ここから掃除を始めます。乾いてない米は掃除機で吸えないので、ひたすら手で拾います。求道者と米粒マンはお構いなしに私に抱きつくがため、私も米粒ババアへと変身を遂げ、バナナが欲しい気持ちになってくる気がしないでもない。

こぼされた汁のところは洗剤を叩いて…などなどやってるうちに1時間は経ちますよね。ハア、片付いた、洗濯しよう、なんてやってるとさ、もう次の食事の時間です。

 

振り出しに戻る。おい!